線維筋性異形成
概要
線維筋性異形成(fibromuscular dysplasia, FMD)は、中小動脈の非動脈硬化性・非炎症性の異常増殖性病変で、特に腎動脈や頸動脈に好発する。若年女性に多く、高血圧や血管性合併症の原因となる。動脈の狭窄、拡張、瘤形成を特徴とする。
要点
- 非動脈硬化性・非炎症性の血管病変
- 腎動脈・頸動脈に好発し、若年女性に多い
- 高血圧や血管イベントの原因となる
病態・原因
線維筋性異形成は動脈壁の中膜や内膜の異常増殖によって生じ、動脈の狭窄や拡張、瘤形成をきたす。原因は明確ではないが、遺伝的素因やホルモン、機械的要因が関与すると考えられている。
主症状・身体所見
腎動脈病変では難治性高血圧が主症状であり、頸動脈病変では頭痛、めまい、脳虚血症状がみられることがある。聴診で腹部血管雑音を認める場合もある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 造影CT/MRA | 数珠状狭窄像(beads-on-a-string) | 腎動脈・頸動脈で特徴的 |
| 血管造影 | 狭窄と拡張が交互にみられる | 診断のゴールドスタンダード |
画像診断では、腎動脈や頸動脈の「数珠状狭窄像」が特徴的である。血管造影が確定診断に有用であり、動脈硬化性病変との鑑別が重要。
治療
- 第一選択:経皮的血管形成術(PTA)
- 補助療法:降圧薬投与、抗血小板薬
- 注意点:再狭窄や動脈解離のリスク管理
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 動脈硬化性腎動脈狭窄 | 高齢男性に多く、石灰化を伴う | 動脈壁の石灰化やプラーク |
| 血管炎 | 炎症所見や全身症状を伴う | 血液検査で炎症反応上昇 |
補足事項
頸動脈病変では脳卒中リスクがあるため、症状や血流障害の程度に応じて治療適応を検討する。家族歴や他部位血管病変の検索も重要。