組織球増殖症
概要
組織球増殖症は、組織球(マクロファージや樹状細胞)の異常増殖を特徴とする疾患群であり、悪性と良性のスペクトラムを持つ。全身臓器に浸潤し、多彩な臨床像を呈することがある。代表的疾患にランゲルハンス細胞組織球症や血球貪食症候群が含まれる。
要点
- 組織球系細胞の異常増殖が基盤となる
- 多臓器浸潤や全身症状を呈することが多い
- 診断・治療は疾患ごとに異なるため分類が重要
病態・原因
組織球増殖症は、骨髄系細胞由来の組織球が腫瘍性あるいは反応性に異常増殖する疾患群で、遺伝子異常や免疫異常が関与する。原因は疾患により異なり、BRAF変異などの遺伝子異常やウイルス感染が報告されている。
主症状・身体所見
発熱、全身倦怠感、リンパ節腫脹、肝脾腫、皮膚病変、骨病変など多彩な症状を呈する。進行例では多臓器不全や血球減少など重篤な状態となることもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | 汎血球減少、炎症反応上昇 | フェリチン高値も特徴的 |
| 骨髄・組織生検 | 組織球の増殖、異型細胞 | 免疫染色でCD1a、S-100など陽性例あり |
| 画像検査 | 臓器腫大、骨病変 | CTやMRIで多臓器浸潤評価 |
診断は臨床症状と組織学的所見の組み合わせで行う。免疫組織化学染色や遺伝子解析(BRAF変異など)が診断補助となる。画像検査で多臓器浸潤や骨病変の有無を確認する。
治療
- 第一選択:化学療法(ビンクリスチン、ステロイドなど)、疾患によっては造血幹細胞移植
- 補助療法:支持療法(輸血、感染対策)、臓器障害に応じた対症療法
- 注意点:再発リスクが高く、長期フォローが必要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| ランゲルハンス細胞組織球症 | 骨病変や皮膚病変が多い | CD1a、S-100陽性、BRAF変異陽性例 |
| 血球貪食症候群 | 高熱・汎血球減少・多臓器不全 | フェリチン著増、骨髄で貪食像 |
補足事項
組織球増殖症は疾患ごとに病態・治療法が大きく異なるため、正確な分類が重要となる。近年は分子標的治療の適応も拡大している。