紅斑熱

概要

紅斑熱はリケッチア属細菌によるダニ媒介性感染症であり、発熱と特徴的な紅斑性発疹を呈する。日本でも主に春から秋にかけて発生し、ツツガムシ病や発疹チフスとともに重要なリケッチア感染症のひとつである。

要点

  • ダニ刺咬を契機に発症し、発熱と紅斑が主症状
  • 早期治療が予後改善に重要
  • 特徴的な発疹や刺し口が診断の手がかり

病態・原因

紅斑熱の主な原因はリケッチア属細菌(例:Rickettsia japonica)であり、ダニに刺されることでヒトに感染する。ダニの活動が活発な季節に発症が多く、山野での活動歴がリスク因子となる。

主症状・身体所見

高熱、全身倦怠感とともに、四肢や体幹を中心とした紅斑性発疹がみられる。刺し口(黒色痂皮)やリンパ節腫脹も特徴的で、時に頭痛や筋肉痛を伴う。

検査・診断

検査所見補足
血液検査CRP・白血球増加、肝酵素上昇炎症反応・肝障害の評価
血清抗体検査リケッチア抗体陽性ペア血清での抗体価上昇が有用
PCRリケッチアDNA検出早期診断に有用

発疹や刺し口の有無、ダニ刺咬歴が診断の手がかりとなる。血清抗体価上昇やPCRによるリケッチアDNA検出が確定診断に有用である。

治療

  • 第一選択:テトラサイクリン系抗菌薬(ドキシサイクリンなど)
  • 補助療法:対症療法(水分・解熱薬)、重症例では入院管理
  • 注意点:妊婦・小児では抗菌薬選択に注意、早期治療が重要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
ツツガムシ病発疹分布、刺し口の部位、流行地域PCR・抗体検査で鑑別
発疹チフスノミ媒介、発疹の性状と分布リケッチア種の同定

補足事項

国内では日本紅斑熱(Rickettsia japonica)が主体。発症初期は非特異的症状が多いため、流行地域・刺咬歴の聴取が重要。重症化例では多臓器障害に注意する。

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