糖原病0型
概要
糖原病0型は、グリコーゲン合成酵素(glycogen synthase)の先天的欠損により、肝臓にグリコーゲンがほとんど蓄積できない常染色体劣性遺伝疾患である。主に乳児期から低血糖症状を呈し、空腹時低血糖や食後高血糖が特徴となる。肝腫大は目立たないが、成長障害や筋症状がみられる場合もある。
要点
- 肝型グリコーゲン合成酵素の遺伝的欠損による疾患
- 空腹時低血糖と食後高血糖・高乳酸血症が特徴
- 肝腫大は目立たず、診断には酵素活性測定や遺伝子検査が重要
病態・原因
糖原病0型は肝臓型グリコーゲン合成酵素(GYS2)の遺伝子変異により発症し、肝臓でグリコーゲンを合成できない。これにより空腹時にグルコース供給ができず低血糖となり、食後はグルコースがグリコーゲンに変換されず高血糖や高乳酸血症をきたす。
主症状・身体所見
空腹時の低血糖発作(けいれん、意識障害)、食後高血糖、乳酸アシドーシスが主な症状である。肝腫大は一般的に認められず、筋症状や成長障害がみられることもある。乳児期に発症することが多い。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血糖・乳酸 | 空腹時低血糖・高乳酸血症 | 食後高血糖・高乳酸血症も特徴 |
| 肝酵素 | 軽度上昇または正常 | 肝腫大は目立たない |
| 遺伝子検査 | GYS2変異の同定 | 診断確定に有用 |
| 肝生検 | グリコーゲン減少 | 酵素活性測定も行われる |
診断は臨床症状と生化学的検査、グリコーゲン合成酵素活性の低下、およびGYS2遺伝子変異の同定によって確定する。肝腫大が目立たない点で他の糖原病と鑑別される。
治療
- 第一選択:食事療法(頻回少量食、就寝前デンプン投与)
- 補助療法:血糖モニタリング、成長・発達の経過観察
- 注意点:長時間絶食の回避、低血糖発作の予防
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 糖原病Ⅰ型 | 肝腫大・高乳酸血症・高尿酸血症 | グルコース6-ホスファターゼ活性低下 |
| 糖原病Ⅲ型 | 肝腫大・筋症状 | デブランチング酵素活性低下 |
補足事項
糖原病0型は他の糖原病と異なり肝腫大が目立たず、診断が遅れることがある。適切な食事管理により予後は良好となるが、低血糖発作や成長障害に注意が必要である。