糖原病Ⅷ型
概要
糖原病Ⅷ型は、肝臓型ホスホリラーゼキナーゼ欠損によるグリコーゲン代謝異常症の一つで、主に肝臓にグリコーゲンが蓄積する。常染色体劣性遺伝で発症し、小児期に肝腫大や低血糖を呈することが多い。重症例では成長障害や筋症状も認められる。
要点
- 肝臓型ホスホリラーゼキナーゼの遺伝的欠損が原因
- 小児期の肝腫大や低血糖が特徴
- 多くは予後良好だが、重症例では成長障害も
病態・原因
糖原病Ⅷ型は肝臓型ホスホリラーゼキナーゼの活性低下により、肝臓にグリコーゲンが過剰に蓄積する疾患である。常染色体劣性遺伝形式で発症し、酵素活性の低下がグリコーゲン分解障害を引き起こす。
主症状・身体所見
主な症状は肝腫大、低血糖発作、成長障害である。軽症例では無症状のことも多いが、重症例では筋脱力や筋痛を伴うことがある。血清トランスアミナーゼや乳酸脱水素酵素の軽度上昇も認められる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液生化学 | 低血糖、高トランスアミナーゼ血症 | 低ケトン血症も伴うことがある |
| 肝生検 | グリコーゲンの過剰沈着 | PAS染色陽性で確認 |
| 酵素活性測定 | ホスホリラーゼキナーゼ活性低下 | 遺伝子診断も有用 |
診断は臨床症状と血液検査、肝生検によるグリコーゲン沈着の確認、酵素活性測定や遺伝子診断で確定する。画像検査では肝腫大が認められる。
治療
- 第一選択:食事療法(高タンパク・頻回少量食)、夜間デンプン投与
- 補助療法:ビタミン・ミネラル補充、低血糖時のブドウ糖投与
- 注意点:無症候例も多く、重篤な低血糖や肝障害の進行に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 糖原病Ⅵ型 | 酵素欠損がホスホリラーゼ本体 | 酵素活性測定で鑑別 |
| 糖原病Ⅰ型 | 腎障害や高乳酸血症を伴う | 乳酸・尿酸上昇が顕著 |
| 糖原病Ⅲ型 | 筋症状・心筋障害が目立つ | 筋酵素上昇・筋生検所見 |
補足事項
本症は予後良好なことが多いが、重症例では肝硬変や肝腫瘍への進展例も報告されている。遺伝カウンセリングが重要であり、家族歴の聴取も推奨される。