無脳症
概要
無脳症は先天的な神経管閉鎖障害の一つで、脳の大部分と頭蓋骨が欠損する重篤な先天異常である。出生前診断で発見されることが多く、予後は極めて不良である。
要点
- 神経管閉鎖障害による重度の脳・頭蓋骨欠損
- 妊娠初期の超音波検査で診断可能
- 生命維持はほぼ不可能
病態・原因
妊娠3〜4週の神経管形成期に、頭側の神経管が閉鎖しないことで発症する。葉酸不足や遺伝的要因、環境要因(母体の糖尿病、薬剤など)がリスク因子とされる。
主症状・身体所見
脳の大部分と頭蓋骨が欠損し、頭部は平坦または不整な形態を呈する。出生時には意識や自発呼吸がなく、ほとんどの症例で死産または早期死亡となる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 超音波検査 | 頭蓋骨・大脳の欠損 | 妊娠初期から確認可能 |
| MRI | 頭部構造の詳細な評価 | 超音波で不明瞭な場合に有用 |
超音波検査により妊娠12週頃から診断が可能。胎児の頭部に脳組織や頭蓋骨が存在しないことが決め手となる。
治療
- 第一選択:根本的治療法は存在しない
- 補助療法:妊娠管理・家族への遺伝カウンセリング
- 注意点:再発予防に葉酸摂取が重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 無脳症 | 頭蓋骨・大脳の広範な欠損 | 超音波で頭部構造消失 |
| 小頭症 | 頭蓋骨・脳は存在するが小さい | 脳・頭蓋骨の縮小のみ |
補足事項
葉酸補充により発症リスクが低減することが知られている。再発例もあるため、次回妊娠時の管理が重要である。