早発卵巣不全
概要
早発卵巣不全は、40歳未満の女性において卵巣機能が低下し、持続的な無月経や高ゴナドトロピン血症を呈する疾患。エストロゲン欠乏による症状や不妊が主な問題となる。原因は特発性が多く、遺伝的要因や自己免疫疾患も関与する。
要点
- 40歳未満で無月経と高FSH血症を認める
- エストロゲン欠乏症状と不妊が主症状
- 特発性が多いが、遺伝・自己免疫など多因子性
病態・原因
卵巣の卵胞数や機能が40歳未満で著明に低下し、エストロゲン分泌が減少する。原因は不明なことが多いが、染色体異常(Turner症候群など)、自己免疫、化学療法・放射線、感染症などが関与する場合もある。
主症状・身体所見
無月経や稀発月経、ホットフラッシュなど更年期様症状、膣乾燥、骨量減少などエストロゲン欠乏に伴う症状がみられる。不妊や低身長、二次性徴の未発現が認められることもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血中FSH・LH | 高値(FSH>40 mIU/mL) | 2回以上確認、FSH>LHが特徴 |
| 血中エストラジオール | 低値 | エストロゲン欠乏を示唆 |
| 染色体検査 | 異常がみられる場合あり | Turner症候群などの除外に有用 |
無月経が4か月以上持続し、FSH高値(40 mIU/mL以上)が2回以上認められれば診断される。染色体異常や自己免疫疾患のスクリーニングも重要。骨密度測定や甲状腺機能評価も考慮する。
治療
- 第一選択:ホルモン補充療法(HRT)
- 補助療法:カルシウム・ビタミンD投与、骨粗鬆症予防、心理的サポート
- 注意点:妊孕性温存の相談、定期的な骨密度・代謝評価
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Turner症候群 | 低身長・翼状頸・染色体異常 | 染色体検査で45,XO |
| 下垂体性無月経 | FSH・LH低値、二次性徴の発育障害 | ゴナドトロピン低値、MRIで異常 |
| 視床下部性無月経 | ストレス・体重減少の既往 | GnRH低下、FSH・LH低値 |
補足事項
早発卵巣不全は一過性に卵巣機能が回復することもあり、稀に自然妊娠例も報告されている。HRTは長期管理が必要であり、骨粗鬆症や心血管リスクにも注意する。