慢性扁桃炎
概要
慢性扁桃炎は、口蓋扁桃に慢性的な炎症が持続する疾患であり、反復する咽頭痛や全身症状を特徴とする。細菌感染の持続や免疫反応の異常が関与し、しばしば他の全身疾患の原因となることもある。
要点
- 反復性の咽頭痛や嚥下痛が持続
- 扁桃の腫脹・膿栓形成が特徴
- 全身性疾患(糸球体腎炎など)の誘因となる
病態・原因
細菌感染(特に溶連菌や黄色ブドウ球菌など)が扁桃組織に持続的に存在し、慢性的な炎症を引き起こす。口腔衛生不良や免疫力の低下がリスク因子となり、扁桃組織の線維化や膿栓の形成もみられる。
主症状・身体所見
咽頭痛や嚥下痛が繰り返し出現し、扁桃の腫脹や発赤、膿栓(チーズ様の白色物質)の付着がみられる。口臭や微熱、倦怠感、頸部リンパ節腫脹も伴うことがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 咽頭視診 | 扁桃の腫脹・発赤・膿栓 | 慢性炎症の証拠 |
| 細菌培養 | 溶連菌・黄色ブドウ球菌など | 病原体同定に有用 |
| 血液検査 | 炎症反応(CRP・白血球増加) | 全身炎症の評価 |
慢性扁桃炎の診断は、反復する咽頭痛や扁桃所見、病歴から行う。必要に応じて細菌培養や血液検査で炎症・感染の有無を確認する。
治療
- 第一選択:保存的治療(抗菌薬投与、うがい、口腔衛生指導)
- 補助療法:鎮痛薬、解熱薬、栄養管理
- 注意点:再発例や合併症例では扁桃摘出術を検討
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 急性扁桃炎 | 発症が急性、全身症状が強い | 急性炎症所見が顕著 |
| 扁桃周囲炎 | 強い咽頭痛・開口障害 | 画像で膿瘍形成確認 |
| 咽頭炎 | 扁桃以外の咽頭全体が発赤 | 扁桃腫脹は軽度〜なし |
補足事項
慢性扁桃炎は小児から成人まで幅広く発症し、IgA腎症などの全身性疾患の誘因となることがある。扁桃摘出術は反復発作や合併症例で適応となる。