慢性好酸球性肺炎
概要
慢性好酸球性肺炎は、肺胞や間質に好酸球が著明に浸潤する原因不明の間質性肺炎である。中年女性やアレルギー素因を持つ患者に多く、慢性的な呼吸器症状と末梢血好酸球増多を特徴とする。治療に対する反応性は良好だが再発例もある。
要点
- 末梢血および肺組織で好酸球増多を認める
- 慢性の咳嗽・呼吸困難・発熱が主症状
- ステロイド治療により速やかに改善する
病態・原因
原因は不明だが、アレルギー素因や気管支喘息の既往を有する例が多い。肺胞や間質に好酸球が浸潤し、慢性的な炎症を引き起こす。薬剤や寄生虫感染による二次性好酸球性肺炎と区別する必要がある。
主症状・身体所見
慢性的な咳嗽、労作時呼吸困難、発熱、体重減少がみられる。胸部聴診でラ音を聴取することがある。喘息様症状やアレルギー性鼻炎を伴うことが多い。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | 好酸球増多 | 末梢血好酸球数増加が重要 |
| 胸部X線/CT | 末梢優位の浸潤影 | 上肺野に好発、移動性あり |
| 気管支肺胞洗浄(BAL) | 好酸球増多 | BAL液中好酸球比率上昇 |
診断は慢性の呼吸器症状、末梢血およびBALでの好酸球増多、特徴的な画像所見の3要素で行う。組織診断は通常不要だが、他疾患除外のため実施する場合もある。
治療
- 第一選択:経口副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)
- 補助療法:酸素投与、気管支拡張薬、合併喘息の治療
- 注意点:再発例が多いため減量・中止時は慎重に経過観察
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 急性好酸球性肺炎 | 急性発症・喫煙歴 | 血中好酸球は初期正常、重症低酸素血症 |
| アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 | 喘息・アスペルギルス抗体陽性 | 気管支拡張像、血清IgE高値 |
補足事項
再発率が高く、長期的な経過観察が必要である。副腎皮質ステロイドへの反応性は高いが、減量時に再燃することが多い。薬剤性や寄生虫感染など二次性好酸球性肺炎の除外が重要。