慢性化膿性骨髄炎
概要
慢性化膿性骨髄炎は、骨髄に細菌感染が持続し、骨破壊や死腔形成を来す慢性炎症性疾患である。多くは急性化膿性骨髄炎の治療遅延や不完全治癒により移行し、難治性となる。再燃や瘻孔形成を繰り返すことが多い。
要点
- 骨髄の慢性細菌感染により骨壊死や死腔が形成される
- 急性期からの移行や再発例が多く、治療抵抗性
- 瘻孔形成や局所の慢性炎症を繰り返す
病態・原因
主に黄色ブドウ球菌などの細菌感染が骨髄に慢性的に残存し、骨壊死や死腔、瘻孔を形成する。急性化膿性骨髄炎の治療不十分例や免疫低下、糖尿病など基礎疾患がリスク因子となる。
主症状・身体所見
慢性的な局所の疼痛、腫脹、発赤、瘻孔からの膿汁排出がみられる。全身症状は軽度だが、炎症反応の持続や発熱を伴うこともある。患部の骨変形や運動障害を生じることがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| X線・CT | 骨硬化像、死骨、骨破壊像 | 慢性期特有の骨変化を確認 |
| MRI | 骨髄浮腫、瘻孔、膿瘍形成 | 軟部組織の評価に有用 |
| 細菌培養 | 膿汁・組織から病原菌検出 | 起炎菌同定・感受性確認 |
X線やCTで骨硬化、死骨、骨破壊像を認め、MRIでは骨髄浮腫や瘻孔・膿瘍を可視化できる。膿汁や組織の細菌培養で起炎菌の同定が重要。診断は臨床・画像・培養所見を総合して行う。
治療
- 第一選択:死骨摘出などの外科的デブリドマン
- 補助療法:長期抗菌薬投与、局所洗浄、創傷管理
- 注意点:再発予防のため十分なデブリドマンと全身管理が重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 急性化膿性骨髄炎 | 急性発症、全身症状強い | 画像で骨破壊が乏しい場合あり |
| Brodie骨膿瘍 | 限局性骨内膿瘍、全身症状乏しい | MRIで限局性病変 |
補足事項
糖尿病や免疫不全患者では治癒しにくく、再発率が高い。治療には外科的介入と長期的な抗菌薬管理が不可欠である。新しい治療法としてバイオフィルム対策や局所抗菌薬徐放材の開発が進んでいる。