尿道下裂

概要

尿道下裂は、尿道の開口部が陰茎の腹側や会陰部に位置する先天性の泌尿器奇形である。主に男児に発生し、尿道の形成異常により排尿や性機能に影響を及ぼすことがある。重症度や開口部の位置により分類される。

要点

  • 男児に発生する代表的な先天性尿道奇形
  • 排尿障害や陰茎の形態異常を伴う
  • 早期の外科的治療が推奨される

病態・原因

胎生期に尿道の腹側壁の癒合不全が生じることで発症する。遺伝的要因やホルモン環境、胎児期の発育異常などがリスク因子とされる。多くは孤発例だが、家族内発生も報告されている。

主症状・身体所見

陰茎腹側や会陰部に尿道口が開口し、正常な位置に尿道口が存在しない。排尿時に腹側へ尿線が逸れる、包皮の腹側欠損、陰茎の腹側屈曲(コードゥイ)などがみられる。重症例では睾丸下降障害や停留精巣を合併することもある。

検査・診断

検査所見補足
視診・身体診察尿道口の異所開口、包皮欠損、陰茎屈曲典型的な診断根拠
超音波検査合併奇形の有無、膀胱・腎の評価停留精巣や腎奇形の検索
排尿時尿道造影尿道の走行・開口部の位置手術計画や重症度評価に有用

視診でほとんど診断が可能だが、重症例や合併奇形の評価には超音波や尿道造影が行われる。尿道下裂の分類は尿道開口部の位置(冠状溝型、陰茎体部型、陰嚢型など)による。

治療

  • 第一選択:外科的尿道形成術(1~2歳までの早期手術が推奨)
  • 補助療法:術後の排尿管理、感染予防、心理的サポート
  • 注意点:再発や瘻孔形成、尿道狭窄などの術後合併症に注意

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
尿管異所開口尿管の開口部が異常造影で膀胱以外への尿管開口を確認
直腸肛門奇形肛門開口部の異常、便通障害肛門部視診・造影で診断

補足事項

症例によっては多発奇形症候群の一部として発症することもある。早期治療により良好な機能・整容的予後が期待できるが、術後経過観察が重要である。

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