口唇ヘルペス
概要
口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルス(主にHSV-1)の再活性化によって生じる、口唇周囲の小水疱とびらんを特徴とする感染症。発熱やストレス、紫外線などを契機に再発しやすい。多くは自然軽快するが、免疫不全時は重症化に注意が必要。
要点
- 単純ヘルペスウイルス(HSV-1)が主な原因
- 口唇やその周囲に小水疱とびらんを形成
- 再発性であり誘因に注意が必要
病態・原因
口唇ヘルペスは主にHSV-1の初感染後、三叉神経節などにウイルスが潜伏し、免疫低下やストレス、紫外線暴露などを契機に再活性化することで発症する。感染力は強く、接触や飛沫で伝播する。
主症状・身体所見
口唇やその周囲に疼痛を伴う小水疱が集簇し、破れてびらんや痂皮を形成する。初感染時には発熱やリンパ節腫脹を伴うことがある。再発例では前駆症状として局所の違和感や灼熱感がみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| Tzanck試験 | 巨細胞や多核細胞の出現 | 水疱内容の塗抹検査 |
| ウイルス抗原検出 | HSV抗原陽性 | 迅速診断が可能 |
| PCR法 | HSV遺伝子検出 | 感度・特異度高い |
臨床診断が基本だが、典型的でない場合や重症例ではPCRや抗原検出を行う。Tzanck試験は簡便だが特異性に限界がある。鑑別疾患との区別が難しい場合に有用。
治療
- 第一選択:抗ヘルペスウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル等)内服または外用
- 補助療法:鎮痛薬、局所冷却、保湿
- 注意点:免疫不全例や重症例では点滴治療や入院管理も考慮
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| アフタ性口内炎 | 口腔粘膜に孤立性潰瘍 | HSV抗原陰性 |
| 帯状疱疹 | 片側性、神経支配領域に一致 | VZV抗原陽性 |
| 手足口病 | 手足・口腔内の水疱・発疹 | エンテロウイルス検出 |
補足事項
再発予防には誘因の回避や紫外線対策が重要。免疫抑制状態では播種性ヘルペスや重症化リスクが高いため、早期治療開始を心がける。