アデノウイルス感染症

概要

アデノウイルス感染症はアデノウイルスによる急性ウイルス感染症であり、主に小児に多くみられる。呼吸器、消化器、眼など多彩な臓器に感染し、流行性角結膜炎や咽頭結膜熱、胃腸炎などを引き起こす。症状は比較的急性で、集団発生も特徴的である。

要点

  • 多臓器に多彩な症状を呈するウイルス感染症
  • 小児に多く、集団発生しやすい
  • 咽頭結膜熱や流行性角結膜炎が代表的

病態・原因

アデノウイルスはDNAウイルスで、飛沫感染や接触感染により伝播する。感染部位は咽頭、結膜、腸管、尿路など多岐にわたり、免疫不全状態では重症化することもある。ウイルスは環境中でも比較的安定で、消毒に対して抵抗性を示す。

主症状・身体所見

発熱、咽頭痛、咳嗽、結膜充血、眼脂、下痢、嘔吐などが典型的である。咽頭結膜熱では咽頭炎と結膜炎が同時に出現し、流行性角結膜炎では高度な結膜充血と眼痛がみられる。消化器症状が前景となることもある。

検査・診断

検査所見補足
咽頭・結膜スワブPCRアデノウイルスDNA検出特異度・感度が高い
迅速抗原検査アデノウイルス抗原陽性小児の咽頭・便で有用
血液検査白血球増多・CRP上昇重症例や鑑別で参考

確定診断はPCRや迅速抗原検査によるウイルス検出による。眼症状では眼科的所見が重要。画像検査は重症肺炎例などで胸部X線を行うことがある。

治療

  • 第一選択:対症療法(解熱・補液・安静)
  • 補助療法:重症例で抗ウイルス薬(シドフォビルなど)を考慮
  • 注意点:感染拡大防止のための隔離・手洗い徹底

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
急性胃腸炎呼吸器症状が少ないアデノウイルスPCR陰性
ロタウイルス胃腸炎高頻度の下痢・嘔吐ロタウイルス抗原陽性
感染性腸炎発熱・結膜炎が少ない原因菌・ウイルスの違い

補足事項

アデノウイルスは環境耐性が強く、流行時は学校や施設での集団感染に注意が必要。ワクチンは一部の国で軍隊向けに存在するが、一般には普及していない。免疫不全患者では重症化や播種性感染に留意する。

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