アセトン血性嘔吐症
概要
アセトン血性嘔吐症は、主に小児に発症し、周期的な嘔吐とケトーシスを特徴とする疾患である。空腹やストレス、感染などを契機に発症し、血中・尿中のケトン体上昇が認められる。成長とともに自然軽快することが多い。
要点
- 小児に多い周期性嘔吐とケトーシスが特徴
- 空腹やストレス、感染が誘因となる
- 成長とともに自然軽快することが多い
病態・原因
糖新生が未熟な小児で、空腹や感染などのストレス時に脂肪分解が亢進し、過剰なケトン体が産生されることが主な原因である。インスリン分泌の相対的不足も関与する。
主症状・身体所見
周期的な激しい嘔吐、腹痛、脱水症状が主症状である。特有のアセトン臭を伴う呼気や尿、倦怠感、顔面蒼白などもみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 尿中ケトン体 | 強陽性 | 簡易尿検査で確認可能 |
| 血液検査 | 代謝性アシドーシス、ケトン体増加 | 血糖正常〜やや低下 |
| 血糖 | 正常〜低値 | 低血糖はまれ |
反復する嘔吐発作、ケトン体上昇、他疾患の除外により診断する。画像検査は主に鑑別目的で施行される。
治療
- 第一選択:輸液による脱水・電解質補正、ブドウ糖投与
- 補助療法:安静、食事療法(高糖質・低脂肪食)、必要時制吐薬
- 注意点:再発予防のため空腹を避け、ストレスや感染の早期対応
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 糖尿病ケトアシドーシス | 高血糖、脱水、意識障害 | 血糖高値、ケトン体陽性 |
| 急性胃腸炎 | 発熱や下痢、感染症状 | 便培養・ウイルス検査 |
| 低血糖症 | 低血糖発作、意識障害 | 血糖著明低下 |
補足事項
本症は「周期性嘔吐症」とも呼ばれ、片頭痛との関連が指摘されている。成長とともに発症頻度が減少するが、稀に成人まで持続する例もある。